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天の岩戸


神代の昔、高天原(たかまがはら)をおさめていた天照大神(あまてらすおおみかみ)という神様がおりました。この神様に須佐男命(すさのおのみこと)という弟神がおり、悪事をはたらいては姉の天照大神を困らせていました。
 ある日、須佐男命は布を織る母屋に皮をはいだ馬を投げ入れ、中にいた織子は驚き針で胸を突いて死んでしまい、これを見た天照大神は怖れて天の岩屋に入り戸を閉じてしまいました。そのとき天も地も真っ暗になり、多くの災いが起こり神々は天安河原(あまのやすがわら)に集まり、一刻も早く天照大神を天の岩戸から出すことを話し合われました。
その結果、天の岩戸に神々を集め、天鈿女命(あまのうずめのみこと)があまりにもおかしく踊るので、見ていた神々は笑いはじめ、岩戸の中の天照大神は不思議に思われ外の者にたずねると、「天照大神様より尊い神様がこられましたのでこうして祝っております。」と言うので、天照大神は戸を少し開けてみると、戸の側に隠れていた手力男命が戸を押し開け天照大神を岩屋から出されました。
こうして天と地に日が戻ったということです。

「高千穂の神話と伝説」(21世紀TAKACHIHO委員会編)より


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