(七十八)飯干
一.飯干童子 (岩瀧 東面
彼童子 立ハ三百丈餘リ、横ハ三四百丈も可有是。此大山人(間難通ヵ)、大小木不数知。峯数ハ大山八峯、谷数ハ七谷也。彼にて至リ、にわ鳥のうたうこへ有、人氏(民ヵ)見る事、神馬のいぼうるこへ聞、くつわのおと于今聞(路)を通ル諸人之馬をおひ行来ノ時、神馬ノくつわのおとを聞、人間之行来に馬もいぼうるなり。何レも當住所之ものも、其外たび人等ニ至?、彼儀無紛也。彼童子奉拝所より川越奉拝所也。童子之間三四間程も可有是、谷ノふかさの事ハ、三十間餘リも可有之。彼山、南ハ上ル北東下ル、西ハ上ル大山也。冬里雨ふ申候時ハ、此高山ハ大雪ふる也。
田尻正本延寶弐年高千穂十八村神明帳
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