(八十三)
一.諸塚太白山
彼太白山と奉申者ハ、ふもとよりぜんちやう壹里半程も可有之。此ミせんニ池有可。立ハ貮間餘リ、よこハ七間程ノ池也。年々ニ水たヽへ申事、大小有リ。水は○○○池水壹間半程有是。此池のはたハ見をすヾはへ○○池のはたニ人間不寄付。彼從山見へ申候所ハ不殘、きほうぜんの嶽見ゆる、阿そ山、田原山、目ノ下ニミゆる。豊後之内、楠(九重)、肥田(日田)ノ山々不殘罷見ゆる也。日向国見ゆる、縣御城元、東海之おき、ほかけ舟見ゆる。從此高山縣都ハ拾六里、肥後熊本ハ十八里、豊後竹田ハ拾五里、奈須山も堺?五里也。其外目之およぶ程ハ見ゆ。此山四方共ニ下ル也。東ハ岩井川、西ハ三ヶ所、
北ハ向(山)之山也。此山之四方より水出ル。西水ハ三ヶ所、(東)水ハ岩井川流ル、北之水ハ向山に流ル、南水ハ七ツ山 三里流て大川出合。東ニ貮拾五峯拾六谷、西ニ十八峯十三谷、南ニ貮拾領(峯ヵ)九谷、北ニ貮拾八峯貮十貮谷。〆峯數九十壹峯、〆谷數六十谷、荒増如此也。
田尻正本延寶弐年高千穂十八村神明帳
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