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えりもの(彫り物)


陰陽(月・日)五行(木・火・土・金・水)や、四季の風景や十二支や鳥居や湯だすきなどを和紙に図案化した切り紙です。
日之影町大人系統(山中・黒仁田)には十二支や家紋や神社名が、五ヶ瀬町桑の内系統(二上・芝原)には十干十二支がデザインされています。上野・田原系統には、つばめや牛がデザインされています。岩戸系統の岩戸五ヶ村や永の内には、弓矢や菊の御紋などがあります。

神楽を行う場所を神庭(こうにわ)と言います。広さは二間四方で原則として畳八畳分の広さです。(※民家の都合では六畳の場合もありますが、細かいことはつっこまないでください。)

神棚がある神前の方を便宜上、東と呼んでいます。これは太陽が東から昇る為で、磁石が指す地図上の方向とは無関係です。
東に木
南に火
西に金
北に水をまつり
中央に土をまつるのが普通です。

※但し、上野・田原系統では、中央に水をまつっているので西は土、北は金となっています。(なぜと言っても昔からそうなっているので、これもつっこまないでね。)

それから、春は梅に鶯、夏は笹に馬ですが、大きい笹には駄馬、小さい笹には駒の二種があります。秋は紅葉に鹿、冬は池にオシドリ(よしにオシドリ)がまつってあります。
現在の方向は、恐らく岩戸信仰によるところの鶏が西に入った為かなりずれていると想像されます。

色では、
東は青
南は赤
西は白
北は黒
中央は黄色をまつっています。

これらの説明は、神楽1番の彦舞の前の「御神屋ほめ」か地区によっては彦舞の後「大殿」の中の唱行(しょうぎょう)と呼ばれる長い台詞の中に昔風の言葉で登場します。耳をすまして聞いてみるとよくわかります。

えりものは、地区によって配らないしきたりの地区と配るしきたりの地区とありますが、「郷に入らば郷に従え」の精神で地区のしきたりに従って下さい。

どうしても欲しい方は、天岩戸神社の社務所と北方町の「よっちみろ屋」で有料で販売しています。

三田井系統はえりものを配りませんが、おみやげ物屋でえりものをデザインした和手ぬぐいを販売していますので、これで我慢してください。

延岡市の大峡神楽では「湯だすき」にあたるえりものを「いわた帯」と呼んでおり安産のお守りとされています。

諸塚村や椎葉村の一部では、何年かに1度の「大神楽」の時だけにえりものを飾るというしきたりがあります。


★高千穂町コミュニティーセンター★緒方俊輔★

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